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アンソロジー  「軍師は死なず」(実業乃日本社文庫)

 幾つか調べてみたが、未だによくわからないのが、明智光秀がなぜ主君である信長に恨みを抱き、謀反をおこしたのかということがある。主たる説明は、家康が信長謁見に安土にやってきたとき、接待、饗応を光秀にまかしていたが、準備状況を確認に信長が光秀のところに来た際、魚の腐臭がした。これに怒り狂った信長が、光秀を饗応の役割からはずした。この屈辱を光秀が根にもち、信長を襲った。通説である。いくら何でも、光秀が家康饗応に腐った魚など用意するわけがない。ちょっと信じるというわけにはいかない。
 山田風太郎はこの本に収められた短編で想像している。実は光秀を接待担当から外したのは、家康の申し出によってではないかと。家康は光秀に危険を感じていた。更に家康は光秀が信長に謀反をはたらくことを知っていたのでは想像する。それどころか、秀吉も毛利も光秀の謀反を知っていた。つまり、家康も、秀吉も、毛利も、光秀の謀反が成功することを望んでいたと。全く知らなかったのは当の信長ばかり。
 どうしてそれを君臣たちが知っていたのかは風太郎らしく、それぞれのスパイ忍者を光秀の周りに配していたからだそうだ。

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| 古本読書日記 | 15:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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