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山田風太郎  「青春探偵団」(廣済堂文庫)

山田風太郎  「青春探偵団」(廣済堂文庫)
中味は普通の青春ミステリー小説。しかし、私やもう少し前の世代の青春時代の香りが漂っていて懐かしさを感じる。
 舞台は高校生の寮。東に男性寮。西に女性寮。男性寮には酒を飲んだりタバコを吸ったりするための秘密の屋根裏部屋がある。そこにはいるのに、紐をたらして、それにしがみつきながら上がっていく。自分たちの青春の匂いだとうれしく感じる。
 寮には舎監がいて門限がある。僕らの時代にも門限はあったが、舎監はいなくて、寮長が管理していた。ただ女子寮は、厳しい舎監がいて、門限は厳しかった。女子寮に門限時間後に忍び込んだり、脱出するのがちょっとした冒険で面白かった。
 それで男女関係ができるというわけでもない。何しろ8畳部屋に3人でいるのだから。どうでもいい話をするだけ。舎監パトロール時押入れに隠れたり、時に女装したりしてごまかす。このスリルがたまらないのである。
 電話が無いから、アパートの連中は、デートは手紙で申し込む。それか急ぐときは電報を使った。今電報は慶弔時に形式的に使われるだけになった。その昔メールは電報だった。

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