浅田次郎 「かわいい自分には旅をさせよ」(文春文庫)
浅田の作品では最初の作品「地下鉄にのって」が印象深いし、今でも浅田の作品のなかでは私にとって最高傑作である。何よりもこの作品には、浅田が生きてきた辛さ、悲哀がにじみ出ていた。
ところがそれからの作品は、文体は磨かれ、難しい言葉をはさみ、巨匠としての偉大性はこれでもかと発揮はされているが、読んでいて浅田自身が身近に感じなくなった。もちろん「月のしずく」のように短編では味わいがあり共感をよぶ作品もあるがわずかである。
このエッセイ集でも、浅田自慢のラスベガスへの旅を描いたエッセイがある。年に3回はラスベガスに行っているそうである。賭け事に行くわけである。だから当然自費でかつひとりでのりこんでいると思う。しかし、どうも読んでいると一人で行っているような雰囲気でない。
出版社が全額費用を負担し、随行員がいて、上げ膳据え膳の殿さま旅行をしているように思える。もちろん才能があり、ベストセラーを次々だしているのだからとやかく言われる筋合いはない。
浅田もこのエッセイ集で書いて入る。お金を稼ぐが、多額な税金に持っていかれる。何しろ経費として落とせるのはペン代と原稿用紙代だけだからと。取材、旅行費用は自分では負担していないことをポロっと漏らしている。
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| 古本読書日記 | 15:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑