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山田太一   「恋の姿勢で」(新潮文庫)

内藤民は34歳で失職する。その現実を忘れるためにアメリカに旅にでる。アリゾナのリゾートホテルで津山に出会い、どうせ旅だからと体を許す。それで忘れるはずだったのに、次に行ったセドナという小さな町のメディテイション道場で偶然に津山をみかける。そうなると、津山が気になり、恋心に火がともる。
 東京に帰り、何とか津山と合えないかと毎日思っていたところ、街の喫茶店で偶然にであう。そして、そのままホテルへ。津山との約束で、互いのこと、過去、現在を一切明かさないという条件で恋愛を楽しもうということになる。
 しかし、それでは、娼婦と男のような関係とあまり相違がない。だから、変態プレイなどもして気分を高揚させようともする。しかし、やっぱし、津山のことを知りたいし、自分のことも知ってほしいと思う。
 ある日津山らしい人から、手紙が届く。手紙には長崎行きの航空チケットがはいっている。それに乗って長崎に行くと、黒の高級車が迎えてくれて、そのままハウステンボスに連れていかれる。そこのバーに津山が待っている。ここは偽のオランダで嘘の恋愛を楽しむ。
 やっと少し津山が自分のことを語った。ハウステンボスをでて、佐世保駅前の小さなビジネスホテルでのこと。駅のまわりにたくさんの人がいた。電車の音がした。それは嘘でなく確かな現実。
 でも、すぐ津山に連れられ長崎チャンポンの店にゆく。津山が言う。「チャンポンでなくこれから食べるのは根室ラーメンだ」と。
 民は津山に確かに恋をしている。いや恋をしていねばならない。恋をしている姿勢でつきあうのだと強く自分に言い聞かす。

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| 古本読書日記 | 15:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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