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池井戸潤  「金融探偵」(徳間文庫)

池井戸潤  「金融探偵」(徳間文庫)
三菱銀行退職後、コンサルタン業をおこし独立。
こんな風に池井戸の経歴を書かれると、エリート人間を想像してしまう。
この連作短編集の主人公は、大手銀行を退職したのではなく、退職させられ、安アパートに住むことを余儀なくされ、ハローワークに就職活動で通うさえない人物。
 しかも17社も応募するが、面接までたどりついたのはたった2社、その2社にも銀行の傲慢な振る舞いをいやみいっぱいに言われる。もちろん採用などされるわけはない。
 しかし主人公の住む下町には、銀行の貸し渋り、貸はがしにあい、青息吐息の中小企業がいっぱい。銀行の経験を生かして、助けてほしいというある会社社長が主人公のところへやってくる。就職活動をしながら合間に、相談者を助けるため、銀行相手に格闘する。
 そこで悪の人間の犯罪を暴き懲らしめる。相談者というより探偵である。で、いくつか成功したところでアパート住人にせがまれ、アパートの玄関に手書きで「コンサルタント」と看板を掲げる。銀行退職、コンサルタント業独立は華やかな人生というわけではない。
 幸田真音や江上剛。池井戸と同じような経歴を歩んでいるが、どことなく、目線高く、知識をひけらかし、でかい態度を作品に感じる。そこが池井戸と異なる。池井戸の素晴らしい作品の原点、視点がこの短編集でわかる。

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| 古本読書日記 | 17:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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