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吉田修一   「路」(文春文庫)

吉田修一   「路」(文春文庫)
吉田は、台湾の人々を愛してやまない、そんな想いがどのページからも伝わってくる。
 最後にでてくる春香と台湾人、人豪との会話にそれが集約されている。
 「春香さんを見ていると、人生は楽しいものなんだってことを思い出すよ。」
 「そう?・・・でもね、それを教えてくれたのは、あなたたち台湾人よ。」
この物語は、春香と人豪の関係が軸の物語にはなっているが、その他、台湾と日本、それぞれに係り合いのあった人々の別の人生も同時並行で、描き出す。
 異なった人生を送った人々をどのように一本の物語に収斂してゆくと思ったら、最後に台湾で導入した日本の新幹線に、異なった車両ではあるが、それぞれが同じ新幹線にしかも初めて乗るところへ収斂させてゆく。
 新幹線導入がベースにはあるが、この物語で最も大切なところは、阪神淡路大震災での安否を心配して人豪があてはないけど春香の住んでいる神戸へ、1999年の台湾中部大地震で、春香が人豪の住んでいる台中に安否を確認にでかけるところ。
 そしてそのことを互いに知ったのが、もう新幹線が走り出す直前。そして、今まさに
新しい新幹線とともに、新しい人生をあゆみはじめようとしている。それは、一緒に乗り合わせた、別々の人生を歩んできた人たちにも同じだ。

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| 古本読書日記 | 17:46 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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