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道尾秀介   「カラスの親指」(講談社文庫)

道尾秀介   「カラスの親指」(講談社文庫)
道尾はこの作品でも、トリックを山のようにばらまいて、それを一つ一つ最後に解明解説している。多少、くどさは残るが、それ以上にこの作品では爽やかさが読後感に残る。
詐欺とマジックの違い。詐欺は最後まで自分が騙されていることがわからない。マジックは最初から騙されていることを観客は承知している。そこが違う。
 詐欺師家業二十年のテツが詐欺師7年の武沢を、見事にだまし切り、最後まで騙されていることが武沢にはわからなかった。そして、大がかりの詐欺を計画失敗し、すべてが終了し、詐欺仲間が別れ別れになり、一人になったとき武沢はふとある疑問がわく。そして、その疑問が次の疑問につながり、色々調べてゆくと、詐欺を実行していた自分こそずっと騙されていたことに気付く。
 その騙したテツこそあっぱれ。おおがかりのテツの詐欺のおかげで、ダメ人間の武沢が生まれ変わり社会人の道を歩き始めたのだから。
 肝臓がんにかかり、死を目の前にした天才詐欺師の一世一代をかけたテツの詐欺はまさにあっぱれ。

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