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篠田節子   「死神」(文春文庫)

篠田節子   「死神」(文春文庫)
連作短編集。現在の生活保護行政の生々しい現場を扱う。
篠田の作品を今までたくさん読んできたが、この作品が今のところでは一番面白かった。
社会福祉事務所の最先端にいるケースワーカー。主たる業務は、申請者を生活保護の対象とするか判断して調査票を作る仕事だ。加えて、保護対象者にできるだけ就業を促し自立を促すことも重要な業務である。
 しかしケースワーカーひとり当たり対象者をたくさん抱えており(この作品のなでは52世帯を担当というケースワーカーがでてくる)真面目に審査したり、申請の中味を吟味調査していたらいくら働いても追いつかない。だから、どのワーカーも適当に流す。しかし、中には、正義感や同情や興味も伴い、個々のケースに首を突っ込み相談者の窮状を解決してあげようと考え行動する人もいる。加えて窓口には、怪しげで、保護費をまきあげてやろうと企んで来る人も多数いる。そういう人を上手くあしらえない、ワーカーもいる。そして、そういう人に絡み取られドツボにはまる。
 そんな生活保護最前線のありさまが実によく描かれている。しかも、悲惨ではなく、独特の篠田のユーモアをもって。
 その笑いがやがてやりきれなさに変わる。

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| 古本読書日記 | 20:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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