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津村節子   「惑い」(文春文庫)

津村節子   「惑い」(文春文庫)
この短編集は、昭和58年から62年の間に書かれたものを収録している。このころの津村は、幼い子の子育て真っ最中で、最も家事育児に忙しく小説家にとっては辛い時代。
 だから、小説を書くための題材を集めることができなかったことが想像できる。
多分、雑誌かテレビ、或は一瞬のひらめき、辞書を眺めていてこれはと思った言葉をみつける。言葉があって、そこから物語をつくるということをこの短編集を読んで感じた。
 男は浮気をする。浮気相手で多いのはいきつけのバーの女性か、会社の部下。だいたいこういう浮気の場合、ある期間をすぎると、女が男に愛想をつかして、男を捨てる。
 そして男は行き場所を失い、妻と子が待つ家に、こそこそ帰ってくる。そのとき男が空威張りで言う。「俺にも面接権があるんだ」と。収録されている「葱」という作品の最後にこの喋りがでてくる。
 津村は「面接権」という言葉に刺激を受けこの物語を創ったのだ。
でも、どれだけの読者に「面接権」が届くのだろうか。

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