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篠田節子   「静かな黄昏の国」(角川文庫)

篠田節子   「静かな黄昏の国」(角川文庫)
日本から農業、漁業が無くなった。自然は破壊しつくされた。都会の緑は、植物ではなく、
成形された模造品。
 葉月卓也、さやか夫妻は今70歳を超えた。都会の住宅には潤いはない、砂漠にいるのと同じ生活である。しかも、食卓から肉、魚、野菜が消えて久しい。今は、クッキーのような乾物をお湯に浸して三度の食事をする。味気ないことはなはだしい。せめて、死ぬときくらいは、豊かな自然に恵まれ、自然の食材を調理した料理を食べていたい。
 世の中は若い人から死ぬようになった。世界の食材は、成長著しい豊かな国、中国、アジア諸国がすべて買いあさる。日本人が食べている乾物は、インドや中国の人々が食い残した残飯を日本に輸入して加工したもの。だから子供ができても、みんな病気にかかり亡くなってしまう。
 そんなとき、葉月夫妻の願いを300万円払えばかなえてくれるという業者が現れた。
不信には思ったが、願いが勝ち、業者にのった。そして、連れて行かれたところは、確かに自然の森があり、野菜も肉も使った、おいしい料理が食べられた。
 どうしてこの日本にそんなところが残ったのか。その楽天地は実は、核廃棄物処理施設だったのだ。そこだけは放射能が蔓延して、そこの自然は破壊できなかったのだ。

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| 古本読書日記 | 06:09 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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