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長野まゆみ  「雨更紗」 (河出文庫)

長野まゆみ  「雨更紗」 (河出文庫)
この作品は、豪雨であれ、篠突く雨であれ、雨に埋もれて読めば実に味わい深い作品に変わる。
 長野世界はいつも不思議に満ちている。いったい、この話の中で、生きている人はいるのだろうか。それとも、みんなすでにこの世にはいなくて、幽霊の物語を読んでいるのだろうか。
 稲妻がとどろくときには、恐ろしい事件が起こり、霧雨にかすむようなときには、ファンタジックな会話や事柄がおきる。雨、雨、雨、雨が降り続く。雨には何の個性もないように思うが、古く壊れかけた家には雨漏りがあり、ひとつひとつの雫には落ちる速さや形には個性があり、感情もある。しかし、待ちかまえている碗に入ると、個性はなくなり水たまりになる。その水たまりになる前に、最後の切ない声を発する。

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| 古本読書日記 | 06:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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