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雫井侑介  「虚貌」(下)(幻冬舎文庫)

雫井侑介  「虚貌」(下)(幻冬舎文庫)
心理カウンセラーの北見が言う。
「人間と言うのは:水のほとりで生活したほうがいいんですよ。ぶらっと散歩がてら足を伸ばせば川べりを歩ける。そんなところがいいんです。人の心にも潤いを与えてくれるんです。」
 こんな伏線があって、クライマックスの理想的川べり飛水峡での壮絶な格闘シーンへとつながってゆく。
 上下巻ある、長編作品の全てを雫井はこの最後のクライマックスにかけている。そしてそれは見事に成功している。川は普段は確かに人間に潤いを与える優しい存在である。しかし、豪雨になると逆巻く水が溢れかえり、濁流がありとあらゆるものを巻き込んでたけり狂う。
 殺人鬼気良、癌末期患者の元刑事守年、気良によって殺されそうになっている勝山とその恋人で守年の娘朱音の格闘。目の前で繰り広げられているような感覚に陥る。
 雫井の文章能力にただただ感服。

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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