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篠田節子  「聖域」(講談社文庫)

篠田節子  「聖域」(講談社文庫)
死んだひとはどこへ行ってしまうのだろうか。死んだ人と生きている人との関係は。死んだ人と生きている人は交流ができるのだろうか。こんな疑問、恐怖からたくさんの宗教や、巫女、イタコなどが誕生した。
 篠田は、この小説のなかで、この問題にある落とし前をつけた。
「現実にあるものはすべて壊せる。生きている人間だって壊し死をむかえさすこともできる。しかし、記憶の底に生きているものは壊せないし消すことはできない。どうしても壊したいのなら自分の頭をぶっ壊すしかない。」
 生きている人に死人は記憶となっていつも傍にいる。そして、死人は記憶となって、生きているものを悩ましたり、喜ばしたり、考えさせたりする。記憶は魂と言い換えてもよい。
 魂はこの世のありとあらゆるところに、存在し、無数にある。そして生きている人から
次の生きている人に魂はひきつがれてゆく。こんなことを篠田はこの小説を通して言いたかったのだと思う。
 それにしても、篠田の小説はどれも、小説家ではなく魂が書いているように思える。
何だか、篠田はこのままで大丈夫だろうか、やせ細ってどこかへ行ってしまうような不安に襲われる。

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| 古本読書日記 | 06:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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