萩原浩 「家族写真」(講談社文庫)
萩原浩 「家族写真」(講談社文庫)
ハウスメーカーのCM、とても手が届きそうもない豪華な家が登場するまではよいが、それに加えて幸せいっぱいの雰囲気家族がでてくると全く白ける。いつも笑顔が絶えない家族。
お父さんが息子と楽しそうに会話している。お母さんは幸せいっぱいの顔でキッチンで料理をしている。
そんなマイホーム家族、いるかもしれないがかなり希少価値の部類にはいる。まあ、長い人生のなかでそんなときもあるかもしれないが殆どそれは一瞬だ。だいたいの家族はどこかゆがんでいるか悩みを抱えているのが普通である。
特にゆがむのが、父親が、リストラにあい失職したとき。受験生など、子供が学生まっさかりでお金がかかるときだったらかなり歪む。
この短編集のなかの「しりとりのり」。漫才か落語のように、しゃべりのみで小説が成り立っている非常に挑戦的形式の小説である。心の動きなどを別に説明しなくても、家族の会話を読んでいるだけで、リストラにあった父親の地位が家族の中でどーんと最底辺になり、それでもめげない父親の姿の哀れさ、やるせなさが伝わってきて何とも切ない。
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そんなマイホーム家族、いるかもしれないがかなり希少価値の部類にはいる。まあ、長い人生のなかでそんなときもあるかもしれないが殆どそれは一瞬だ。だいたいの家族はどこかゆがんでいるか悩みを抱えているのが普通である。
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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑