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篠田節子   「家鳴り」(集英社文庫)

篠田節子   「家鳴り」(集英社文庫)
ホラー小説短編集。
セックスレスになった夫婦。妻がそれから異常になりジャンクフードを寝がけに貪るように食べる。その後一人半前の夫の作った料理を毎晩食べる。それで顔だけは可愛いまま、体が異常に大きくなりトイレはドアをはずさないと入ることができないし、最後は玄関も壊し作り替えないと出はいりができなくなるという本の表題作「家鳴り」もおもしろいが、何といっても篠田の想像力の素晴らしさが発揮され卓越している作品が最初の「幻の穀物危機」。
 東京都心で大地震が起きる。主人公はその少し前に脱サラをして、東京近郊の田舎にペンションを作り経営していた。自分たちが都心から離れていた幸運を喜ぶ。
 しかし、都心から鈴なりになって被災者が、食料を求めて、郊外へと繰り出してくる。それはまるでバッタの群れ。畑や田んぼ、家畜や犬までも食いつくし、それが終わると次の土地へ異動してゆく。群衆が、次々切れ目なく都会から押し寄せるのである。農民は武器を持って、食料や畑を守る。一方難民も食料略奪に蛮勇を奮う。
 都会から自然を求めてきたペンション経営の主人公家族。百姓ではないから、畑もなければ食料の作り方も知らない。一方都会からくる難民のように武器を持ち略奪もできない。しかも、難民ではないため、支援食糧ももらえない。夢を叶えた田舎暮らしのはかなさを読者は知る。

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| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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