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三浦綾子   「丘の上の邂逅」(小学館文庫)

三浦綾子   「丘の上の邂逅」(小学館文庫)
吉村昭と三浦綾子には感心する。吉村は亡くなって9年、三浦は15年未だに新刊本がでている。二人ともメジャーな作家ではあったが、派手さはなく、静さが似合う作家であった。そして、何より文壇の群れからは距離をおいていた。吉村もそうなのだが、三浦は特に市井、普通の人々の中にいるひとだった。今の作家は、遅咲きでなければ、まずは、学生時代を描くことから始まる。学生のことを書きつくすと、そこで行き詰まり、急に作品がつまらなくなる。それは交際範囲が、作家かちょっとした芸能人、それに出版社の人間に限られてくるからである。三浦は普通の人々との交流を通じて、強く、人間の奥底に迫る作品を描いた。
 そこが未だに、多くの読者を掴み離さないで、こうして時に新刊本にも出会うことができる。この作品の三浦の言葉が重く響く。
 「私は人を1センチでも2センチでもいいから、動かす作品を書きたい。」

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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