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林望   「落第のススメ」(文春文庫) 

林望   「落第のススメ」(文春文庫) 
あの夏目漱石も旧制中学校を勉強ができず、3か所も変わっている。そしてやっと入学した大学予備門で落第している。それも、得意であるはずの英語が苦手で。
 近代詩を確立した萩原朔太郎も何回も落第している。
永井荷風も、佐藤春夫も、そして何とあの志賀直哉も落第を経験している。
 とにかく日本文学界を明治、大正、昭和とリードしてきた文豪は、勉学に苦しむ落第生であったことをうれしそうに林は指摘する。
 それは林も、慶応大学2年進級に失敗して落第しているからである。落第など人生の価値においてどうってことはない、むしろその経験こそ、人間を深め、後の偉大人を生む要因となっていると自画自賛をする。
 しかし、先人偉人たちの落第と、林の落第には彼我の差があり、とても同じ落第という言葉では論じられない。旧制中学、高校、大学は勉学成績の評点が厳格で、進級が難しく、落第は当たり前のようにあった。大学は門戸は開いていたが、進学は難しかった。高校、大学では勉強また勉強でなければ、落第は当然のようにあった。
 林の時代は、大学にはいりさえすれば、それほど勉学にいそしまなくても、当たり前のように進級できた時代である。余程、遊びまくり、勉強をしなかったわけだ。林と同列に扱われた先人たちの苦笑が浮かんでくる。

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| 古本読書日記 | 06:12 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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