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薬丸岳   「ハードラック」(講談社文庫)

薬丸岳   「ハードラック」(講談社文庫)
今の暴力団は、たくさんの団員をかかえしのいでいることはしない。会社も、社員はかかえず派遣、契約社員パートを大量採用し極力社員はかかえないようにすることと同じだ。
 詐欺や犯罪を考え、企画する人間がいる。それを実行する人間を集める。振り込め詐欺なども、電話する人間、金を受け取る人間などパートにわけて実行者を雇う。世の中には、それが犯罪だとわかっていても、一時の少し大きい報酬でやとわれてしまう境遇にいる人間がたくさんいる。
 その多くが多重債務者。どこかで社会から放り出され、街金融から金を借りてしのぐが、それが膨大な金額になり、返済不能になってしまった人間。彼らは取り立てからのがれるため、街を放浪。以前はホームレスになるのが普通であったが、今はネットカフェをねぐらにしている。
 そこに待っていたかのように、ネットに犯罪計画者がいいかせぎの仕事があると募集広告をのせる。それに群がり、吸い付くのがネットカフェ放浪者。そして、彼らが詐欺、犯罪の実行者となる。決して計画、操作人は捕まらず、底辺を彷徨う放浪者ばかりが、警察に捉えられるのである。
 それにしても薬丸は追いつめられ犯罪に至る過程や、犯罪や詐欺を引き起こす過程をリアルに描いている。全く感心する。調査も丹念にしておいるだろうが、それを物語に創造する力量は他の作家の追随を許さない。

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| 古本読書日記 | 06:22 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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