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三浦しをん  「舟を編む」(光文社文庫)

三浦しをん  「舟を編む」(光文社文庫)
岸辺は出版社に入って3年目の社員。装飾雑誌の担当をしていたが、「大渡海」という辞書編纂部門に異動となった。異動してまもないころ、大手製紙製造会社の宮本という社員が、辞書用用紙のサンプルを持参しやってきた。辞書の編集はほとんどまじめ君という主任が一人でそのとき行っていたので、まじめ主任は、岸辺に応対をまかせた。素晴らしい見本に岸辺が感嘆していると、まじめ主任が「ぬるみ」がないとバッサリ。ぬるみというのは、薄い紙のページをめくるとき2枚3枚とまとめてページをまくれることのないように、指になじんでくっつくような感覚のする紙のことをいう。
 そのぬるみをだすために、宮本も宮本の会社も頑張る。岸辺も頑張って意見を言う。そしてこれぞという製品ができたとき、本当はまじめ主任が行けばいいところ、忙しいということで大会社へ岸辺が最終確認に向かう。
 その大会社では、宮本だけでなく、課長、部長が立ち会う。岸辺はまだ社員のひよこ。気後れをする。それでも、できあがった紙の完璧さに感動しこれでよいと言う。
 すると部長が、「岸辺さんに合格と言われて本当にうれしい」と言う。
仕事が地位や会社の大小に関わりなく、互いの懸命な努力、業績を認め合う瞬間である。
岸辺も大製紙製造会社も素晴らしい。
 それにしてもまじめ主任の、ラブレターというより恋文といったほうがよい手紙は怪書を越えて傑作である。

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| 古本読書日記 | 06:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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