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松本清張 「馬を売る女」(文春文庫)

松本清張 「馬を売る女」(文春文庫)
清張は、ちょっと心にひっかかることを何かで知って、そこからああでもないこうでもないとその材料を広げるのが楽しくて、楽しくてしょうがない作家なのだと思う。この本には中編三作が収められているがまずはトリック材料がある。
 高速道路の夜の待避所。ヒトリバシリという雑草。馬酔木。
面白いのはヒトリバシリ。口に入れると、それに含まれているヨヒンビンという物質が中枢神経麻痺をおこし、どうしても全速力で走りたくなる。どこでこんなことを清張は知るのか知らないが、それを知ったときの清張のこいつは面白い話が作れるとほくそえむ顔が私の目の前に現れる。
 トリックの面白さということでは東野圭吾がいるが、東野はトリックにおぼれ、物語が雑になる傾向がある。
 清張は動機とトリックを完全に共鳴させる。収められた三作品は、老醜というもの、死へ向かって諦めにむかうのが当たり前なのに、金欲、性欲、権勢欲ますます高じてそれが最後殺人につながる。老醜の醜さ哀れさをテーマとしている。そこが読者にガツンと衝撃を与える。

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| 古本読書日記 | 06:21 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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