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桐野夏生  「ナニカアル」(新潮文庫)

桐野夏生  「ナニカアル」(新潮文庫)
これは本当にたまげた。作者、桐野が見事に消失することに成功している。読んでいると林扶美子が作り上げた作品だと完全に読者に思わせる。
 第二次大戦中の林のまさにインドネシア「放浪記」である。林の作品や膨大な関連資料を読み込み自分のものとし、更に現地にも桐野はでかけてイメージを膨らましたのだろう。
 戦争の足音がせまってくると、右も左もスパイだらけになる。ちょっとした言葉尻や行動をとらえてすぐ憲兵に密告そしてしょっぴかれる。それで、帰ってこられなくなった人もたくさんいる。
 林と斎藤の不倫は、そんな憲兵にとって手ぐすねひいて待ち構えているには、格好な事案である。物語のクライマックスは戦争の酷さをずしりと読者に訴える。
それにしても、こういう作品を読むと、今現実に起きていることは真実なのか幻なのかわからなくなる。
 後藤さんや湯川さんの残虐きわまる殺害映像は、実は誰かが意図を持って流しているとしたら。そして、イスラム国の残虐性を強調して、どんどん戦争をしやすい国にしようとしていたら。重要なことは起きたことを利用しているのでなく、意図を持って起こしている勢力がいたらと思ってしまうこと。この作品を読むとおもわずブルっとする。

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| 古本読書日記 | 06:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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