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中村文則  「銃」(新潮文庫)

中村文則  「銃」(新潮文庫)
この作品はどこか青臭く、懐かしさを感じた。
世界文学や純文学に凝ると、どうしても一回は作品を書きたい衝動にかられる。自分もこのくらいの作品は書けると錯覚するから。しかも純文学というのはストーリーではなく、高等な言葉を配し、心理懊悩を抉り出し、頭でっかちなところをその特徴とする。私も高校のとき、そんな頭でっかちな小説を書き悦にいっていたところをボロクソに先輩から批判され落ち込んだことがあった。この小説を読み思い出した。
 ざあざあ雨がふる真夜中、主人公はあてもなく散歩している。まずもってここから何で真夜中ずぶ濡れになるような激しい雨のなかをあてもなく歩くのという疑問がでる。作者はともかくそう思ってくれたまえとくる。そして死んでいる人を見つけ、その傍らにあった銃を拾う。ここに現実からの飛躍がありすぎる。それを作者は懸命に言葉を紡ぎなぜ銃を拾ったか説明する。
 銃を手にしたからには、誰かを殺したい。ここも無理があるから、長いページを費やし
心理分析をする。更に殺したいほどの人がいないので、隣の部屋の女性を殺すことにする。
 これも、どうして?となるから、またくだくだと説明する。どれもこれも無理すぎるから、納得できるところは無い。でも、青いとき、純文学にかぶれてしまった時代には、こんな小説を書いて一流作家を越えたのだと無性に思いたくなる。

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| 古本読書日記 | 06:20 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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