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桐野夏生  「錆びる心」(文春文庫)

桐野夏生  「錆びる心」(文春文庫)
絹子は、学校の成績は良かったが、事情があり大学まで進めなかった。就職先で大失恋をした直後に見合いの話があった。相手の良幸は大学の講師。みてくれはちんけだったが、大学の講師という肩書に妥協し結婚した。
 良幸は本当に小心な、だめな人だった。だから、魔がさし、結婚前に勤めていた会社の上司と不倫をする。それが、発覚した。良幸は、離婚は世間体が悪いし自分の出世にもかかわるから絶対しないと宣言はしたが、とにかく絹子に怒りまくり、今後外出は余程のことが無い限り許さないと絹子に言い渡した。
 それから10年間、冷たい関係のまま家庭生活を夫婦は続けた。一人娘も就職できたので、叱られた日と同じ日に絹子は復讐の意味をこめ家出をした。そして、ある家の住み込みのお手伝いさんになった。一週間たったところで、娘典子を呼び出して良幸の様子を聞く。
 相当良幸はまいっているし困っているだろうと想像して。
ところが良幸は普段通り淡々と生活をしている。離婚せず紙の上だけでつながっている関係に良幸は満足している。絹子は衝撃と怒りを覚える。絹子は愛する感情はないが、あわれな小心男に妥協してつくしてあげてきただけなのに、全然良幸が困っていないとは。
 しかし絹子はわかっていない。自分には不釣り合いな女性だけど、気立てはよさそうだから結婚してやるかと良幸が思って結婚したことを。

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| 古本読書日記 | 06:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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