FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

山本周五郎  「あとのない仮名」(新潮文庫)

山本周五郎  「あとのない仮名」(新潮文庫)
周五郎は、清張を思い出させる。尋常高等小学校を卒業してすぐ社会へでている。周五郎は
ペンネームを一杯たくさん使ったが、最後に周五郎にしたのは小学校をでて世話になった質屋が「周五郎商店」だったからである。
 2人とも文壇や権力を極端に嫌った。文壇や出版社に友人や心を通わせることのできる人を持たなかった。学歴コンプレックスがあったように思う。高等遊民のような人たちがくれる文学賞を嫌った。後にも先にも直木賞を辞退蹴っ飛ばしたのは周五郎だけ。
そのくせ、私生活は横暴で、編集者などを権力を傘にきて、奈落の底に追い落とした。
 作風は権力を嫌う。女性や弱者には常に暖かい眼差しをむけた作品を創る。
人付き合いができない。だから2人とも心の中は寂しく孤独であったことは間違いない。
 「あとのない仮名」は周五郎晩年の作品である。どうやっても、どう努力しても、自分のことは誰からもわかってもらえない、もちろん逆に他人のこともちゃんと理解できない。その空しさ、無常観が横たわっている。まさに晩年の周五郎の心の叫びが聞こえてくるような作品である。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 05:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT