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小杉健治 「家族」(双葉文庫)

小杉健治 「家族」(双葉文庫)
裁判員制度。一般社会常識から離れている裁判官や検事、弁護士だけの裁判で、偏見や誤認、不祥事が多発したため、一般の人間を裁判に参加させ、一般感覚で判決や刑期を決めてもらう。もちろんそれができるように裁判官、検事、弁護士が判断材料や考え方を提供する。
 知らなかったのだが、裁判員は一般の人達、時間的制約がおおきいので、通常裁判は3日連続で行い結審、判決となるように決められている。
 そのため、事前に判事、検事、弁護士は証拠、被告の供述内容、誰を証人として呼び何をしゃべってもらうかすべてを公開しあい、裁判のストーリーを決めて裁判を行う。そうしないととても3日以内で裁判がおさまらないから。
 これはみようによっては、裁判員はあらかじめきめられている劇をみせられているだけ。判事の判決は自らの責任にならないよう一般裁判員も参加してきめていますよというようなもの。
 この作品は、そんな裁判に、疑惑を抱いたある裁判員の厳しい追求により、新な事実が浮かんできて、事前に描いたストーリーのように裁判がすすめなくなったときどうなるのかを描いている。
 裁判員制度の矛盾がよくわかるし、事件も背景と結果の因果関係が鮮明であり実におもしろい。小杉の小説は、トリック優先の推理小説に反して、社会の矛盾、人々の暮らしに根差した
テーマを扱いさらに推理も一流。感心する

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| 古本読書日記 | 06:27 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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