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米澤保信  「犬はどこだ」(創元推理文庫)

米澤保信  「犬はどこだ」(創元推理文庫)
19歳の女子大生が、77歳の老婦人を殺害したことが連日報道されている。警察が多分犯人に行き着いたのは、女子大生がツイッターで「誰かを殺してみたかった」とつぶやいていたことを発見したからだと思う。またイスラム国の日本人人質事件の情報はすべてインターネットの世界で知る現状。
 この作品は2005年。非常に新しくかつこれからのミステリー小説の在り様を読者に提示している。
行方不明になった犬を探すために設立した調査事務所にある不明になっているある女性の捜索依頼が舞い込む。当然事務所を開設した主人公の紺屋は探偵など素人も同然。いわばダメ探偵。このダメ探偵に、都度、捜査の方向、指針を与えるのが、会ったこともないネットのチャット仲間、ハンドルネームが「GEN」という人物。
 また最後の犯行現場をつきとめてゆく過程が斬新。事件の起きそうな地域にある古文書の真贋を追跡してゆく。その過程で、江馬という郷土史家につきあたる。ここで江馬が書いた著作や、江馬についての情報はやはりネットで検索してつきあたる。その著作により、犯行場所の「谷中城」を知り、場所も特定される。最新と古い歴史がネットを使いながら、融合し事件を追いつめてゆく。
 これからは、事件現場へ繰り返し足を運ぶのだという古典的な観念での事件解決物語から、ネットに溢れかえる情報から事件解決の糸口をみつけるという手法へミステリー小説は変わってゆくのかもしれない。

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| 古本読書日記 | 06:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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