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松本清張  「武士くずれ」 (中公文庫)

松本清張  「武士くずれ」 (中公文庫)
清張の描く家康は、名君の誉れが高い一般評と異なり、陰惨で冷たい人間である。
そうかと言って決して家康を否定しているのではなく、むしろ人間を客観的にみて、リーダーになるようなひとは、いやらしく悪いと思われる一面を持っていて、それを表にあらわさず、じっとタイミングをはかりバサっとやる慎重さが必要なのだということを清張は語っている。
 ちょっとした藩主や側近の言動によくいえば彼らの本心を見抜く力が卓越していると言えるが、逆に、ちょっとした言葉尻をいつまでも根にもっていて復讐のときを待つ、ネチネチとした暗い執念深い人間でもある。
 こんな心の狭い人間が天下国家に対し権力を握ると、藩主や側近は恐怖心だけがあおられ、へいおんなときは心安らかな時が全くない人生を歩む。
 へつらう、おべんちゃらを懸命に言う。贈り物も手にはいらないようなものを探し他の
ライバルと競う。そこまでしても、死に追いやられた山縣藩主最上義光が哀れを誘う。

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| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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