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長嶋有  「安全な妄想」(河出文庫)

長嶋有  「安全な妄想」(河出文庫)
作家になる人には、社会の規範や枠にはめられることが大嫌いな人が多い。このことは個性的だというより、むしろ面倒くさい、だらだらしていたいという性向が強いためだ。
 こういう性格の人は、まず朝起きることから崩れる。それで、活動しているのが夜ばかりとなる。夜は妄想するには最も適した時間だが、代わりに友だちを含め人間関係が希薄になりどんどん係る人間が減っていってしまう。そして、気が付けば作家と交わるのは出版社の編集者ばかりとなる。
 「あんたとは絶交だ。」最近はそんな言い方はしない。口をきかないようにしたり、無視を決め込み、相手におまえは大嫌いだとわからせようとする方法をとる。売れっ子作家になると特にそういうことをする。それでいて、その編集者が作家の頭から消えているかというと、これが逆。
 夜、あいつは困っているだろう。落ち込んでいるだろう。天罰がくだったのだ。と勝手に妄想する。でも、作家が怨念をこめるほどには、編集者は淡々として、普通の生活をおくっている。

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| 古本読書日記 | 06:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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