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堀江敏幸  「なずな」(集英社文庫)

堀江敏幸  「なずな」(集英社文庫)
午後のひと時、愛犬を連れて散歩をする。散歩の途中に、犬を店に入れてもOKという喫茶店が2軒ある。OKというより、店主が一緒にはいれと要求するのである。
 見知らぬ人たちの輪が犬を中心にしばしの間できる。そのうちに、また元に戻り客同士の会話が始まる。しばらくするとまた犬が話の中心となる。そんなことを繰り返す。私はもっぱら他のお客さんの話を聞いているだけ。それが、街の様子を知ることになり、時に、おじさんたちの青春の恋の話を知ることになる。犬を連れていることで、世間が知らないうちに広がってくる。
 この作品は、弟の都合で、なずなという生まれて2か月の赤ちゃんを預かることになる主人公の育児奮闘記である。主人公は、転職を繰り返しながら、ある地方都市で発行している新聞社の記者になる。街にきたばかりなのだが、なずながいるおかげで、回りに人々の輪ができる。なずなの世話は大変なのだが、危なそうなところを誰かが補って支えてくれる。
 なずなを中心にして、街の様子がわかってくるし、記事も材料がたやすく集まり書くことができる。そして、なずなが少し大きくなっても、できあがった人間関係はしっかりと続く。
 この作品の解説者が、最初に書いている。子供は満一歳になると、一般の人並の飛行機料金が取られる。だから、一歳にならないうちに子供を連れてパリに休暇に行ったと。
 いかにも堀江の作品は、こういう人でなければ理解できないと言われているようで、ちょっぴり顔がゆがむ。優雅で、知識と教養が豊富、あくせくとは無縁な人しか堀江は読者にしない。この作品も、盛り上がりはなく、淡々と400ページを超えて、物語が進む。ちょっと凡人では読み切ることはきつい。馬鹿は読んではいけない小説だと堀江は言っているのでは?

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| 古本読書日記 | 06:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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