FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

盛田隆二   「おいしい水」(光文社文庫)

盛田隆二   「おいしい水」(光文社文庫)
女性の社会への進出はかなりのスピードで進行している。今や、男性、女性を問わず、まずは自分を大切にして他人から邪魔されず個性を発揮して生きてゆく時代。こんな時代になればなるほど邪魔になるのが結婚。そうはいってもまだ、家事、育児は女性の肩にのしかかっているから 特に女性にとっては。
これが、時代が変化して、家事、育児も夫婦できちんとシェアする。たとえそうなっても、個性を発揮しながら仕事で生きるためには、結婚は障害物である。
 この物語には、集合住宅に住む4組の家族が登場する。そして、すべての妻たちが形は異なるが結婚人生にもがいている。夫が浮気をするから、同等に私もするという妻。パートや派遣にいやけがさして、共同で出資して店を構えて、失敗してしまう主婦たち。専業主婦がその生活場所にやりきれない思いが募り、小さな出版社にパートで就職。そこで能力を発揮して正社員になるところまでいく。しかし、その家庭はまさに夫婦の関係が壊れていく過程となってしまう。
 表面的には元気もいいし、きつい皮肉を互いに言い合い、和気あいあいとしているようにみえるが、どの妻も悲しく、痛々しいほどに孤独だ。
 盛田は中年から熟年に至る、男女を描いたらリアリティがあり随一の作家の一人である。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 06:44 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT