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浅田次郎  「赤猫異聞」(新潮文庫)

浅田次郎  「赤猫異聞」(新潮文庫)
今、自治会長をしている。担当している自治会には119軒ある。一人暮らしのアパートもあるから全体居住者は350人ほどである。会長をしていていると、世の中がよくわかる。
市や地区のために働く人を選出せねばならない。これが50人もいる。そしてこの50人が人々の生活のかなりの部分を支える。それも誰も、やりたがらない仕事をすることで。ゴミの回収、分別。草刈、清掃。街灯の管理。子供会。老人会。それから、高齢者、障碍者のための御用聞きである民生委員など。
 やりたくないけど、やらないと暮らしが回らない。言えば、必要悪の仕事である。この仕事には、将来の役得、出世があるわけでもなければ、お金などの利もあるわけではない。
 美味しい部分は、役所勤めの人や、役所に癒着、たかっている人たちが持っていく。活動はやって当たり前、何か問題が発生すると、実際を担っている役所からみれば、下っ端の自治会選出者に文句を言ったり、活動の改善を要求する。時には責任をおっかぶせる。
 浅田のこの作品は、必要悪の仕事をさせられている下っ端人間の意地とその裏腹である、哀愁を描きだしている。


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| 古本読書日記 | 06:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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