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藤原審爾  「死にたがる子」(新潮文庫)

藤原審爾  「死にたがる子」(新潮文庫)
黒猫が子供を4匹産む。3匹は黒いが、1匹が白い。親の黒猫は、3匹の黒猫を可愛がり、乳を与えるが、白猫には見向きもせず、時々白猫がやってきても邪険に追い払う。
 白猫は、他の子供と争ってまで、乳を飲もうとはせず、じっと端っこにうずくまっている。
まるで、この世に生まれてきてはいけなかったことを悟り、死ぬことを待っているような状態である。かわいそうに思ったこの物語に登場する子がミルクをあげるがやはりしばらくして死んでしまう。
 世の中には生きているのか、死んでいるのかわからないような子供がいる。家族とともにいても、学校にいても存在が無い。そんな子は無視されるか、屑物のようにいじめられる。
 先生たちは、そんなにいじめられているとは知らなかったと問題が起きると言う。それは責任を回避したくて、知っていても知らなかったと嘘を言っているのだといつも思っていた。でも、この作品を読むと、存在の無い子には先生さえも関心がゆくことは無く、あながち先生の反応は嘘でもないような思いがしてきた。時には先生も子供と一緒になって、存在の薄い子をいじめているなどの記事に接するときもある。
 そんな子たちは、いずれ自分の存在価値がこの世界には無いことを知り、静かにマンションのベランダから身を投げる。



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| 古本読書日記 | 06:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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