FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

香納諒一 「ガリレオの小部屋」(光文社文庫)

香納諒一 「ガリレオの小部屋」(光文社文庫)
不眠症、眠れないということを文章にしてこれほど的確に表した作品をみたことがない。
「ふと眠りに引き込まれる瞬間が来そうになると、あっそんな瞬間が来そうだと心が騒ぎ、ところが、そんなふうに心が騒ぐと、眠りは僕から遠ざかってしまう。それでもすぐにまた気をもたせて誘いをかけてくる性悪女のように、少しずつ眠りの瞬間が近づいて来るので、息を潜めて待っているとあと一歩で眠れそうな気がするとともにまたもや遠ざかる。
 眠れないと何とか眠ろうとする。何とか眠ろうとすると、いざ眠ろうとするときに、ついそのことを喜んだり、ほっとしたりしてしまう。たぶんそれもいけないのだろう。そんなふうに、眠るなどというごくあたりまえのことに、喜んだりほっとしたりしまうことで、眠りが遠ざかってしまうのだ。」
 香納の珠玉の短編集。どれも面白い。タイトルになっている「ガリレオの小部屋」が最も素晴らしい。

| 古本読書日記 | 05:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT