FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

井上荒野  「不格好な朝の馬」(講談社文庫)

井上荒野  「不格好な朝の馬」(講談社文庫)
短編連作集。
この本を読んでいると男というものは何と馬鹿げているものなのかと思ってしまう。
40歳を過ぎて分別もできる年になっているのに、21歳の女性に惚れられ、逢瀬を重ねている。最初は、女性の体に惚れ、つきあってみるが、年の差もあり会話もかみあわない。
 少々飽きがきた。それに女性の存在を女房にも知られ、女房から本気とは思わないが、別れることを持ち出された。
 これで最後にしようと思い、女性を温泉に連れ出す。それで、はっきり別れることを言い出すつもりで、温泉まできているが、最後に「惜しい」という思いがわきあがり、別れを言えないというより言わない。それが、どういうことになるか、それまではわかっていたはずなのに。言わない。
 他の短編。旦那が家をでていくと宣言する。嫁さんも、旦那には辟易していたから、明日にでも自分の荷物を持ってでていってくれという。その旦那、恋人ができたから別れると言うわけだが、その恋人は中学生だと言う。どうなることやらこの旦那の未来は。
 男は、そのとき、そのとき、これでいいやと行動する。そのとき、別のそのときは単なる点でしかない。しかし、自らの境遇が底におちたとき、そのとき、そのときが線でつながっていたことを知る。

| 古本読書日記 | 06:09 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT