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岩井志麻子 「夜啼きの森」(角川ホラー文庫)

岩井志麻子 「夜啼きの森」(角川ホラー文庫)
私が幼いころ、国道もすべての道路は舗装などされていなかった。車も村に数台だった。もっぱら物品の移動や人の移動は、牛馬によって行われていた。それと、がたごと走るバス。
 ということは、街までは遠かったし、隣村も遠かった。
だから、生計、生活、そして生涯は村で始まり、村で終結した人が多かった。
 農作業も林業も、祭りごとも、葬式も、消防も、すべての生活が皆しての共同作業により成り立っていた。
 こんな閉ざされた世界で、最も困ることは、村八分にされてしまうこと。しかも、共同作業に加えてもらえなかったり、自分の家のための作業を村人が全く協力してくれなくなった状態になってしまうと、もう逃げ場も、生きてゆく手段もなくなり、死を待つしかなくなってしまう。
 時にこんな人がでる。嫌われ者である。そうそう、そんな人は乞食をしながら土管に住んでいた。この小説はそんな閉ざされた世界での悲劇を扱っている。
 有名な「津山33人殺し」が題材。この事件を基に「八つ墓村」も作られている。

| 古本読書日記 | 05:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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