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朝井リョウ   「時をかけるゆとり」(文春文庫)

朝井リョウ   「時をかけるゆとり」(文春文庫)
朝井が、自らの大学生活を書いている。作家になるには、これ以上ないほどの大学生活を送っているように感じた。
 学生生活を描いた作品はどれも同じ色調、居酒屋があって、バーやこじゃれたレストラン、と思えばファミレスやマック、そして揺れ動く恋、読んだはじから忘れてゆく。
 素晴らしいのは朝井のこの大学生活体験記には、恋も居酒屋も合コンもファミレス(いやサイゼリヤが登場したか)も全くでてこない。
 雨中の100キロハイキング、ピンク映画館の夏休み、北海道なしの北海道旅行、それにちゃんと書いてある授業での失敗。学生を体いっぱいに吸い込んで楽しく、切なく躍動している。
 恋は学生生活のほんの一部。だからまず学生を目いっぱい書く。それを書いていたら恋を書くところなど無くなってしまったのだろう。こういう作家は将来を期待してもいい。但し面倒くさがりやの性格は直したほうが更にいい。

| 古本読書日記 | 06:26 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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