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伊藤たかみ  「アンダー・マイ・サム」(講談社文庫)

伊藤たかみ  「アンダー・マイ・サム」(講談社文庫)
17歳。一番、心が揺れ動き、悩み、深く人生を考える時なのかもしれない。もう少しすると、世の中は、日々、同じことの繰り返しということが当たり前ということがわかる。殆どの人たちが、真剣に人生と向かい合うなどという気概は消え失せてしまった生活を営むようになっている。
 17歳は違う。友達も、嫌いな奴も、たくさんいるような、たくさんいてほしいような空想があり、でもよくみれば友達と言えるような奴はいない。恋人なのかよくわからない、つかみどころのないセックスフレンドがいる。たばこも吸う。ビールばかりを飲む。バイクでふろつきまわる。
 何かに飢え、いつも何かしているような気がするのだが、よくみてみると、授業は寝てばかり、家に帰ればゲームをしてばかり。くだらない映画を時々みたり、本屋やCDショップで万引きを繰り返している。そして、気が付くと、ポカンと穴があいていて、孤独と空しさだけが心をつきあげてくる。何にもない17歳、暗く切ない17歳。
 それでわかる。17歳はいつも懸命に携帯メールを打っている。
「今飯食ってる」「今テレビ見てる。」「元気?」必死につながろうとしている17歳。

| 古本読書日記 | 06:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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