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有川浩  「クジラの彼」(角川文庫)

有川浩  「クジラの彼」(角川文庫)
圧倒的に地位や権力に差がある。しかも権力のある人が、相手の将来の在り様を左右できる場合、権力者は自分の横暴な行動、言動にはいたって無頓着。
この短編集のなかに、そこまではいかないが、かなり状況は似ている話がある。しかも力があるほうが女性。この女性は相手の男を男というか人間として認めず物体扱い。下着まで買いにいかせそうな状態。いわゆるパシリ。
 女性は男とつきあっては別れを繰り返すことがしばしば。その度に、女性は男を呼び出し安居酒屋に連れていき、男とのいきさつをくどくど酒をあおりながら話す。性交場面まで微細に。殆どパワハラであり逆セクシャルハラスメント。男は憎らしさを腹におさえ、ものわかりよさそうな表情で聞いてやる。男は女性が最後には酔いつぶれることを知っていて、アパートまで運んであげねばならない。だから、あるときから酒を飲まないようにしている。
 こんなことをしていると、流石に男にも限界がくる。そしてあるときから居直って女性の要請を全くきかなくなる。
 その時女性は、恋人と別れたときとは比較にならないほど強烈な屈辱感、絶望感、孤独感に襲われる。こういう結論になるかと思ったら、やはり女性重松清といわれる有川。この女性と男を結び付けハッピーに終わらせる。ここが有川作品に納得がいかないところ。

| 古本読書日記 | 06:05 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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