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金井美恵子   「軽いめまい」(講談社文庫)

金井美恵子   「軽いめまい」(講談社文庫)
最初の文が4ページにわたり、初めて句点がつく。ギネスにのってもいいような長文である。それだけで読者はまさに「軽いめまい」がおきる。どうして、こんな文体になるかわけがある。
 団地に住んでいる主人公の専業主婦。とにかくとめどもなく誰かと喋る。喋らなければ、独り言をずっと言っているか、何かがずっと頭に浮かんでいる。まったく頭がボケっと空白になることがない。中味にたいしたことほとんどない。性癖として喋っているか、頭に何かが浮かんでいなければいられないのである。
 そのありさまを忠実に文章にすると、ひとつ、ひとつの文がしまりないように長くなるのである。しかし、だらだらだけでは、当人も読者もつまらなくなる。だから、しばしば、、皮肉やユーモアがまざる。そこが、この小説のみそ。
 弘田三枝子と九重佑三子の眼は整形で全く同じものをつかっているとか、白で休日の衣装を統一している、隣のアパートの部屋の御主人をみて「カバを漂白したみたい」とか。

| 古本読書日記 | 06:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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