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垣根涼介  「サウダージ」(文春文庫)

垣根涼介  「サウダージ」(文春文庫)
最近の小説は、高校生、中学生の主人公が、人との関わりが上手くいかなくて、登校拒否になったり、ひきこもりになるか、街へとびだしてぐれる物語が多い。
 一時期の人生での逆風。それに対して、一瞬の感情的対応、発散。それがその時は恰好よく見える。だから、学校にはいかない。愛などと縁のない性遊びに彷徨う。チンピラぶりっこをする。バイクを改造して、夜の街で群れを成して爆音をひびかせ走り回る。
 そして学校中退となる。そのとき、あくまでそのときは恰好よく映る。
しかし、人生はその直後暗転する。
 継続的な生活を送るための就労場所が無いのである。脱出できない底辺の生活、その日、その日をしのぐだけの生活が始まる。いけどもいけども出口が無い。
 そして、大きなお金を手にいれるためには、常に死と隣り合わせた、悪業に手をださねばならなくなる。それが底辺から脱出する唯一の生きる道となる。
 この小説は、そんな行き場のない人生から脱出を試みようとする悲しい人々の物語である。

| 古本読書日記 | 05:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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