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平松洋子  「野蛮な読書」(集英社文庫)

平松洋子  「野蛮な読書」(集英社文庫)
その昔4大ポルノ作家がいた。川上宗薫、富島健夫、宇野鴻一郎、それに団鬼六。
この中で、宇野鴻一郎だけが顔が浮かばない。写真をとらせない作家だったのだ。あのエロムンムンの文章はどんな顔をして書いているのか興味津々だった。
 ところで宇野鴻一郎は昭和37年「鯨神」で何と芥川賞を受賞している。この作品は村に禍をもたらす、鯨の姿をした神を主人公のシャキが死闘の末倒す物語で、その死闘場面はこれでもかというほど壮絶な場面が描かれ尋常ではない迫力に圧倒された覚えがある。凄い作家と心底思った。芥川賞受賞からしばらくして、宇野の作品が見られなくなった。それから3年後、宇野はとんでもない書き出しの本で再登場した。「鯨神」と再登場の間に、宇野に何が起こったのか。この落差はどうしたのだ。
 「あたしレイコ。人妻看護婦なんです。」
 「課長さんたら、ひどいんです。」
 「あたし濡れるんです。」
しかし、この書き出しはすごい。この一行だけで、宇野ポルノワールドへ読者をひっぱりこむのだから。驚くべき才能をもつ作家である。

| 古本読書日記 | 06:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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