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森浩美  「家族の見える場所」(双葉文庫)

森浩美  「家族の見える場所」(双葉文庫)
NHKで震災復興応援歌としてよく流していた「はなはさく」という歌、流れるたびに偽善ぽくていやだなあと思っていた。
 今年、町内の自治会長をした。その活動の中で、河原にある公園にコスモスをみんなで植え秋にはコスモスをみながらお祭りをすることが、自治会連合で決まった。皆と言ったって花畑をつくったり、種をまいたり、水をやったり、草取りをしたりすることは毎日のようにあり、皆でできるわけがない。そこで結局連合会の会長と私と会長の友だちの3人が暑い最中、殆どの作業をした。
 がっくりきたのは、台風18号で鉄砲水がでて、コスモスが全部水の下、濁流の下に沈んでしまったことだ。何のために今まで苦労をしてきたのか・・・・。水が全て引いたあと、倒れたコスモスが現れた。倒れても蕾ができていたり、中には小さな花をつけていたものもあった。花の生命力の強靭さには驚愕した。台風の去った翌日、竹をとってきてつっかい棒にして立たせる作業をした。1000本にもわたる倒れたコスモスを起こした。
 そして祭当日は、色とりどりのコスモスが公園一面に咲き誇った。
偽善だと思っていた歌「はなはさく」がじんと心に沁み渡ってきた。
 この短編集「イキヌクキセキ」。東北大震災の津波で家族を失った葵が、預けられていた伯父さんの家から石巻に里帰りをする。家のまわりに母が大好きだったひまわりの種をまき、そして自分の作った歌を歌って、たった一人のコンサートをしようとする。
 そんな物語を読みながら、秋風にゆれるたくさんのコスモスを思い出した。

| 古本読書日記 | 06:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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