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江戸川乱歩  「十字路」(講談社文庫)

江戸川乱歩  「十字路」(講談社文庫)
秘書である愛人の部屋に乗り込んできた妻を誤って殺してしまった会社社長伊勢、どうやって完全犯罪にしてしまうか計画を練る。愛人を妻に変装させ、熱海の海岸から飛び降りたようにみせかけることと、殺した妻は、ダム湖になって沈む村にある古井戸に投げ捨てることを計画。これを確実に実行すれば完全犯罪は成立する。
 その夜、画家と商業美術家が酒場で喧嘩。画家が酒場の壁に頭をうちつけ、意識朦朧状態で街をうろつく。
 すべては上手くいくはずだった計画。妻の死体を積んで走っていた新宿の交差点で、トラックに伊勢は追突される。そこで、警察の聴取のために、近くの交番に行っていた20分間に、朦朧として歩いていた画家が、車の後部座席に入り込む。そして亡くなる。死んだ人間2人をダム湖まで運ぶことになる。計画が崩れる。その不安がずっとのしかかる。
 ここに乱歩がひとひねりを加える。妻を井戸に投げ込んだとき、伊勢が気付く。履いていた妻の靴がなくなって妻が裸足になっている。靴を探したがどこにもない。この靴がどこで無くなったかが、この物語に面白さを増幅させている。

| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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