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江戸川乱歩  「パノラマ島奇譚」(角川ホラー文庫)

江戸川乱歩  「パノラマ島奇譚」(角川ホラー文庫)
この作品は、トリックにはそれほど斬新さはない。すごいのは、タイトルにある、パノラマ島をニセ妻と旅するときの、島の描写である。
 インディージョーンズのスピルバーグの映像を彷彿とさせるどころか、それを遥かに凌駕している。文字と言葉で映像を超えるとは流石乱歩である。迫力満点のまさにパノラマが展開する。
 主人公の人見の学生時代の仲間、菰田が癲癇の発作から死ぬ。菰田は菰田一族の御曹司で、使いおおせないほどの財を継いでいた。一方の人見は売れない作家で、やっとの暮らしをしていて、ただただ、自らが描く理想の世界を作りたいとはかなく望みながら、その理想世界の設計にいそしんでいた。
 亡くなった菰田が実は人見とうりふたつ。そこで、人見は菰田の棺桶にはいり、そこからぬけでたようにして、人見をけし、菰田に生まれ変わる。そして菰田家の所有する無人島を彼の思い描いた世界に作り替える。そこを菰田の妻を案内する。菰田の妻は、案内する夫がすでに菰田ではないことを知っている。だから人見は菰田の妻を案内した最後に殺して、建設中の柱に埋め込む。ここで、名探偵明智小五郎ならぬ北見小五郎が登場する。

| 古本読書日記 | 06:26 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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