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尾辻克彦  「吾輩は猫の友だちである」 (中公文庫)

尾辻克彦  「吾輩は猫の友だちである」 (中公文庫)
昨日尾辻が亡くなってびっくりしている。「~力」という言葉を最初に使ったのは尾辻である。
本のタイトルからして、日々の猫との楽しい交わりを描いている作品と思って読みだしたところ、猫は確かに登場するが、どうも思い描いたような作品ではなく、最初はズレがありちょっと読むのが苦しかった。
 これは尾辻の家族、おばあさん、嫁さん、娘さんと尾辻自身4人、特に嫁さんと尾辻の摩擦、すれちがい物語かエッセイだとわかる。そう思って読むとすんなり中にはいっていける。
 尾辻の作品での嫁さんは、尾辻の再婚で得た嫁さんである。従って、彼女はいきなり、おばあさんと娘さんがいる家族となる。それだけでも、とんでもないストレスを抱えることが想像できる。
 尾辻は理解しがたいのだが、奥さんへの心遣いが殆どない。常に、自分だけが、作品がなかなかできず苦労してばかりと考える。そして、娘さんだけに関心がゆき、溺愛している。
 奥さんがいたたまれず、友達のところに逃亡する。それが辛く耐えられないので、友達と相談する。ところが少しも奥さんを思うところが無い。
 「一般に今どきの女性というものは・・・」という現実離れした会話に終始する。
寄り添えない尾辻の姿が悲しく見えてくる。

| 古本読書日記 | 06:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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