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石川好  「ストロベリー・ボーイ」(文春文庫)

石川好  「ストロベリー・ボーイ」(文春文庫)
「ストロベリー・ロード」の続編。
アメリカは、黒人を除けば祖国で人生に失敗したり、祖国に捨てられ祖国を去ったありとあらゆる民族に属する人々が蝟集した国だ。しかも広大な土地を持っている。失敗した人たちは、行き着いた土地で失敗しても、また新しい土地に流れ、いくらでもゼロから人生をスタートできる国だ。ということは、人間関係を壊し、更に新しい人間関係を年がら年じゅう創っている人々があまたいるということになる。
  人間関係は3つによって創られる。「言葉」「ビジネス」「SEX」。それらが常にあっちこっちで破壊され同時に生成されている。そんな国だから、すべての関係が浮薄ではあるが激しく、攻撃的になる。実にけたたましく、騒々しい。そんなことをある牧師を借りて本書で石川は言う。
 しかし、石川がアメリカにいた時代、「沈黙の声」が密かに広がっていた。かの有名なサイモンとガーファンクルの「サウンド オブ サイレンス」である。
 騒々しい裏側に、孤独で、寂しく、生きている、捨てられ忘れられた人々を夥しい数、アメリカは生産していたのである。「卒業」のダスティンホフマンの淋しいまなざしを時々思い出す。

| 古本読書日記 | 06:20 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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