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石川好  「ストロベリーロード」(下)(文春文庫)

石川好  「ストロベリーロード」(下)(文春文庫)
アメリカは、自由で平等で豊かな国ではない。「自由であらねばならない」「平等であらねばならない」「豊かであらねばならない」国なのだ。「ねばならない」という観念の国なのだ。
 山田詠美は黒人にひかれ、黒人とのただれたような恋愛を描いた。日本人女性がそれにより、黒人に憧れ、黒人に溺れる、黒人と結婚してアメリカに渡ることがブームになったことがあった。この現象を黒人の側からみると、アメリカで白人から差別、抑圧され相手にされない、日本女性はそんな蔑まれている黒人を羨望の目でみつめ、かしずいてくれる。黒人より下層にいる人間がいる。そこによりかかり、孤独をいやしたいという姿がすけてみえてくる。黒人も差別されていると同時に差別したい人を探している。
 FUCKという言葉が一般公衆の前に現れたのも、昭和40年代。INという前置詞が強調された時代も昭和40年代。アメリカはベトナム戦争に苦しんでいた。ティーチ イン、ダイイング イン、ストーム イン・・・・。
 僕らの青春はすべてアメリカにとりこまれていた。安保反対はアメリカの存在に対する反対であった。アメリカの映画、音楽、思想、観念にみんな取り込まれていた。社会主義だ、共産主義だと言っていた人々も、ソ連や中国の社会主義国家など眼中にもなかった。ひたすらアメリカをこよなく愛するか、徹底して憎悪するか、それしかなかった。
 そんなアメリカが今崩れおちてゆく。そして、世界は混迷の時代が果てしなく続いている。

| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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