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原田マハ 「旅屋おかえり」(集英社文庫)

原田マハ 「旅屋おかえり」(集英社文庫)
九州の旅をしながら列車、飛行機の中で読んだ。この物語は、読者を旅へ、旅へといざなう。
愛媛内子、秋田角館に球肌温泉・・・・。だれもが行きたくなるだろう。
後半もそれなりに良かったが、前半の旅屋という商売を弱小芸能プロダクションが始めるに至るまでの物語が良い。
 唯一のタレント(30過ぎ)丘えりかの所属事務所、丘の「ちょびっ旅」とこれも唯一の丘の番組で、スポンサーの「江戸ソース」を丘が間違って「えぞソース」と連呼していまい、
番組打ち切りとなる。そこに、番組の強いファンから娘がALSの病気にかかり、寝たきりで、手足も動かせない、この娘のために旅行に行って、それを映像にして持ち帰ってほしいという、お母さんの依頼がある。この娘さんは華流家元の娘で、それを継ぐために修行していた段階でALSを患う。家元はそんな娘を不必要な人間として捨て、縁切りのように扱う。
 娘が行ってほしい場所が角館。去年桜を見に行ったのだが大雨で見られず、それで丘に是非行ってレポートをしてほしいと。
 晴れ女と異名をとる丘が角館に行く。そこはしかし大雨。泣くようなレポートをする。そして球肌温泉に向かう。ところが温泉は5月というのに大雪。しかし、この雪が丘を救う。
 体を張った丘のレポートが父を娘の元へと呼び戻す。ここまでが見事。
人々はいつか誰でもが社会の荒波にむかい旅にでる。そしてまた必ず戻ってくる。
 「行ってらっしゃい」と「おかえり」の言葉が原田の作品により輝きを放つ。

| 古本読書日記 | 06:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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