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伊坂幸太郎  「死神の精度」(文春文庫)

伊坂幸太郎  「死神の精度」(文春文庫)
「死神」は人間の体をして現れ、彼が調査した人を死なすべきか、生かすべきかを決める調査員をしている。一週間の調査の後、余程のことが無い限り死ぬべきとの回答を中央に報告。そして、調査された人間は、8日目に不慮の事故か、殺され死んでしまう。自殺、病死は含まない。死神の調査の短編集。
 最後の作品が素晴らしい。死神が現れて、調査している間は必ず雨降り。
そんな雨降りに海岸端にある、見晴の素晴らしい美容院に死神が現れる。その美容院は、70歳を過ぎた老婆がひとりでやっている。老婆は、両親も長男も不慮の事故で亡くしている。次男は喧嘩別れして一切音信不通。
 その老婆が死神にお願いする。「明後日、男の子2人と女の子2人を街場で声をかけ、美容院に理容に連れてきてほしい。」と。苦戦をしたが、あれこれ工夫して子供を集め、結果11人の男女子供たちが雨の中やってきた。どうして老婆はそんなお願いをしたのか。最後に明かされる。
 次男に子供がいて、老婆の死ぬ前に次男が孫に一回だけ会わせてあげると約束した日、それが明後日。
11人も子供の客がいれば、どの子が老婆の孫かわからないが、きっとその中には孫がいる。
 夜9時まで理容はかかった。孫はわからなかったが、老婆はどの子も心をこめ最高に利用をしてあげた。そして、疲れてそのまま寝入った。
 翌朝、老婆と死神が、表へでるといっぱいに広がった青い空。死神が初めて青空をみた瞬間だ。
老婆が微笑む。「太陽に手をかざして見る顔と、ほほ笑む顔は一緒だね」と。

| 古本読書日記 | 06:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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