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江戸川乱歩  「不気味な話1」(河出文庫)

江戸川乱歩  「不気味な話1」(河出文庫)
猟奇、不気味な物語を集めた作品集。
半分は既読。巻頭を飾る「押絵と旅する男」は乱歩の作品のなかで私が最も好きな作品。
戦争や空襲での悲惨さは数々の体験集が出版されている。さて乱歩にとって空襲を強く思い出す体験とは。青年、市川は、空襲の中逃げているうちに、火災にあっていない大きな屋敷にたどりつく。そこで、たった一人でいた若き美女であう。その女性が、「ここは庭が大きいから火災にはなりません。安全ですから、空襲がやむまでここにいたほうがいいわ」と言う。
 ドカーン、ドカーンと爆弾が破裂する。阿鼻叫喚があり、外は火がたけりくるう。
そういえば、空襲があるたびに興奮して、オナニーにふける人がいることを聞いたことがある。市川は今までにない欲情につきあげられる。そこでたまらず美女におおいかぶさる。
 美女も拒否しない。2人は今までに味わったことのない、最高の欲望の波の中を漂う。
戦後、そのときの告白がある。何と70歳を超える皺だらけのおばあさんが、「あんな気持ちのいいことはなかった」とうれしそうに語った。

| 古本読書日記 | 15:05 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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